明治から昭和の東北。産業の振興に不可欠だった水力発電所。当社の系譜の中では、大正7年(1918年)運転開始の平良発電所(秋田県東成瀬村)、昭和13年(1938年)運転開始の長者原発電所(山形県小国町)をはじめ、2022年運転開始の玉川第二発電所(山形県小国町)など、継続して電源開発を進め、東北と新潟の豊かな水資源を国産エネルギーとして生かし高度成長を支え、オイルショック以降の電源の多様化においてもクリーンで枯渇しない安定電源として、暮らしを守ってきました。
そして平成の大震災においては、ほとんどの設備が停止することなく、震災直後から安定して電気を送り続け復興を支えてきました。
水力発電所は、地形や水系等の立地条件に最も効率よく最大の発電量が得られるよう設計、建設されており、使用水量・有効落差などによってそれぞれ最適な水車等の機器が使われます。
したがって私たちにはそれらの特性を熟知し、点検・保守の精度や頻度を的確に判断・対処することが求められます。
また、河川の水量は気象・天候の変動に大きく影響されます。私たちはこれらをリアルタイムでモニターし、培われた経験則と実績をもとに対策・対応に万全を期します。
それはすべて安全を確保しながら、1分1秒たりとも発電を止めないためのルーティン。継続的な安全運転を実現することが最大の使命です。
水力発電事業は、河川のみならず流域環境と深く関わっています。
油入機器への天然素材油を用いること、新技術の開発により圧油・潤滑油等の油類を使わない機器の導入、漏れた場合でも確実に回収できる排水ピット、油回収装置を設けるなどがその一例です。
技術面だけでなく、「環境方針」を掲げ、土壌汚染防止、グリーン製品の調達や資材・資源の節約に努めるなど、全社で環境マネジメントを展開しています。
水路式発電/川の上流に低い堰をつくって水を取り入れ、長い水路により落差が得られるところまで水を導き、発電する方式です。
水車は水力発電の要となる設備です。河川から取水する流量、水車に水が落ちる落差、地形条件等から最も効率よく水を受け発電機を回すことのできる水車が使用されます。
水を取り込むケーシングの中に羽根車(ランナ)を設置し、そこを流れる水の圧力により回転させる水車です。最も一般的な水車で、数10m~数100mの落差に広く使われています。
水をノズルから噴出させ、その勢いでバケットを回転させる水車です。ノズルから噴出する水の量を調節することにより、出力を簡単に調整できます。200m以上の高落差に適しています。
水の流れがほとんど直線的に流れる構造になっている点が特徴の水車です。水の量によって羽根の角度を変えることができ20m以下の低落差の発電所で使われています。